2005年度業績

7月に21COEプログラムによる国際シンポジウム「霊長類とイルカ類の社会生態を京都で開催し、その成果を8月に札幌で開かれた第9回国際哺乳類学会でシンポジウムとして報告・討議した。9月には国際高等研究所の課題研究「センサー論」で沖縄へ出張し、ユタの調査を実施。ルワンダ国へ出張してカフジ・ビエガ国立公園の類人猿の生態学的資料をバサボセ・カニュニ氏と共同で分析した。10-11月には科学研究費補助金(A)(2)「アフリカ熱帯林における人類と類人猿の共存と社会進化」による調査でガボンのムカラバ国立公園へ出張し、安藤智恵子、岩田有史とともにゴリラの食性と遊動について資料を収集した。その他、関西経済研究所の主催による研究会「少子高齢化研究」、サントリー財団の助成による研究会「所有と分配」に参加、環境省の中央環境審議会で生物多様性国家戦略の実施状況を討議した。総長裁量経費による「映像アーカイブス」の作成に取り組み、3月に「映像が語るフロンティア精神」(シンポジウム)、「異境の瞬間」(写真展)としてまとめた。故伊谷純一郎先生の選集の編集を開始。エコソフィアの編集委員として「越境する動物たち」という特集を組んで、日本の哺乳類について最近の知見をまとめた。日本の自然環境と動物を考え直すいい機会になったと思う。

2005年度発行の論文

英語論文

  1. Yamagiwa J, Basabose AK, Kaleme K, Yumoto T, 2005. Diet of Grauer’s gorillas in the montane forest of Kahuzi, Democratic Republic of Congo. International Journal of Primatology, 26 (6): 1345-1373.
  2. Yamagiwa J, Basabose AK, 2006. Diet and seasonal changes in sympatric gorillas and chimpanzees at Kahuzi-Biega National Park. Primates, 47 (1): 74-90.
  3. Yamagiwa J, Mitani JC, Nishida T (eds), 2006. Special issue on African great apes. Primates, 47 (1).
  4. Matsubara M, Basabose AK, Omari I, Kaleme K, Kizungu B, Sikubwabo K, Kahindo M, Yamagiwa J, Takenaka O, 2005. Species and sex identification of western low land gorillas (Gorilla gorilla gorilla), eastern lowland gorillas (Gorilla beringei graueri) and humans. Primates, 46: 199-202.

英語総説

  1. Yamagiwa, J., 2005. Quest for evolution of human society through fieldwork on the great apes. Kyoto University Newsletter, 7: 2-3.
  2. Yamagiwa, J., 2005. Coexistence of gorillas and chimpanzees. In: World Atlas of Great Apes and their Conservation, J. Caldecott and L. Miles (eds), UNEP World Conservation Monitoring Centre, University of California Press, Berkeley, p.137.
  3. Yamagiwa, J., 2005. I learned many things from Dian. IPPL News, 32 (3): 9.

日本語総説・著書

  1. 山極壽一, 2005. 『ゴリラ』、東京大学出版会
  2. 山極壽一, 2005. 「ゴリラ動物記」、UP, 392(6): 6-11.
  3. 山極壽一, 2005. 「進化がもたらしたこころの病」、京都文化会議2004地球化時代のこころを求めて、pp. 133-134. 京都文化会議組織委員会
  4. 山極壽一, 2005. 「霊長類の生活史から見た日本の少子高齢化」、少子高齢化に伴う課題の研究会、(財)関西社会経済研究所、pp. 15-35.

その他

  1. 山極壽一, 2005. 「人生設計の不思議」、朝日21関西スクエア会報, 73: 5.
  2. 山極壽一, 2005. 「ゴリラと父親」、後藤繁雄対談『五感の友』、リトル・モア、pp.327-332.
  3. 小長谷有紀・松林公蔵・山極壽一・山田勇・横山俊夫, 2005. 「自然観と世界観:モンゴルの食にまつわる儀礼から知るもう一つの科学」、科学, 75(5): 660-672.
  4. 山極壽一, 2005. 「コミュニケーションと認知世界の変化と進化」、『成熟社会の生き方をめぐる議論2005: 子どもと子どもを取り巻く社会』、サントリー次世代研究所、pp.
    40-42.
  5. 山極壽一, 2005. 書評:『サルの生涯、ヒトの生涯―人生計画の生物学』ディヴィッド・スプレイグ著(京都大学学術出版会)、エコソフィア, 15: 121.
  6. 山極壽一, 2005. 「単独行の由来を探る:中央アフリカでゴリラを追って」、岳人,699: 30-34.
  7. 山極壽一, 2005. 「野生のゴリラと野生の子ども」、チャイルド・サイエンス, 1(2): 10-17.
  8. 山極壽一, 2005. 「ゴリラ語で絵本を書いた」、こどもの図書館、52(9): 1.
  9. 山極壽一, 2005. 「人の由来と未来:アフリカでのフィールド調査から」、聖教新聞(9月15日)
  10. 山極壽一, 2005. 「ゴリラ・ウォッチング」、野鳥, 691: 25.
  11. 山極壽一, 2005. 「人類学、アフリカ学への誘いー伊谷純一郎『ゴリラとピグミーの森』、文藝春秋特別版(11月臨時増刊)「1冊の本が人生を変える」、pp.100-101.
  12. 山極壽一, 2005. 「本とフィールドワーク」、本の風ニュース、2005年10月第10号
  13. 浅香光代・山極壽一, 2006. 「サルを知る」、糸井重里編『続々と経験を盗め』、中央公論新社、pp. 92-110.
  14. 山極壽一, 2005. 「ゴリラ学の座標軸」、学際, 16: 16-109.
  15. 山極壽一, 2005. 「ゴリラのすむ村」、青淵, 681: 14-16.
  16. 山極壽一, 2005. 「人生設計の不思議」、弘報, 171: 3-4.
  17. 山極壽一, 2006. 「愛すべきキング・コング」、朝日新聞(夕刊)1月4日
  18. 山極壽一, 2006. 「煙の香り」、朝日新聞(夕刊)1月10日
  19. 山極壽一, 2006. 「ドリトル先生」、朝日新聞(夕刊)1月11日
  20. 山極壽一・香山リカ・高田公理, 2006. にっぽんの知恵「ママ・女将」(上)、朝日新聞夕刊(2月4日)
  21. 山極壽一・香山リカ・高田公理, 2006. にっぽんの知恵「ママ・女将」(下)、朝日新聞夕刊(2月18日)
    山極壽一, 2006. 野生生物の今を読む「映画『キングコング』」、野生生物保全論研究会会報, 44: 3.
    山極壽一 2006. 「心に残るヤクシマザル:西部の自然と青春」、屋久島ブック06, pp. 49. 山と渓谷社
  22. 松沢哲郎・山極壽一, 2006. 「類人猿から僕らは何を学んできたか? 青春編」、WORD, 59: 387-393.

学会およびシンポジウム、研究会での発表

  1. Yamagiwa J, Shimooka Y, 2005. Life history tactics in female dispersal primates. Kyoto Conference: Delphinid and Primate Social Ecology, July 29, Kyodai-Kaikan (Kyoto)
  2. Yamagiwa J, Karczmarski L, 2005. Socioecological perspectives in primates and delphinids. IX International Mammalogical Congress, August 1, Sapporo Convention Center (Sapporo).
  3. 山極壽一, 2005. 「ゴリラに発見された新しい子殺し行動について」、第42回日本アフリカ学会学術大会、5月28日、東京外国語大学(東京)
  4. 山極壽一・バサボセ カニュニ, 2005. 「ゴリラは葉食者か果実食者か?」、第21回日本霊長類学会大会、7月3日、倉敷市芸文館(倉敷市)
  5. 山極壽一, 2005. 「カフジビエガ国立公園(コンゴ民主共和国)」、公開シンポジウム「GRASP-Japan:日本人による大型類人猿の研究と保全活動」、第21回日本霊長類学会大会、7月3日、倉敷市芸文館(倉敷市)